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担当者コラム

第三十五回 51年目の「横浜市こどもの美術展」

2017.11.25

こんにちは。横浜市民ギャラリー・森です。

横浜市民ギャラリーからお送りする2回目のレポートは、「横浜市こどもの美術展」についてお伝えします。

だいぶ寒さが厳しくなってきて、もう遠い昔のことのようですが、夏に開催していた展覧会です。

「横浜市こどもの美術展」は、1965年、今から51年も前に始まりました。

つまり、初めの頃参加した子どもたちが今はもう立派な大人になっている!そのくらい長い歴史があり、子どもたちと一緒に歩んできた展覧会、それが「横浜市こどもの美術展」なのです。

 

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第2回「横浜市こどもの美術展」1966年

 

 

「横浜市こどもの美術展」で軸になっているのは、子どもたちから作品を募集して、応募された作品をすべて会場に展示するということです。

作品に優劣をつけるのではなく、作品をつくった子どもたちの気持ちを大切にして全作品を展示するというスタイルは、この展覧会が始まったときからずっと変わりません。

 

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「横浜市こどもの美術展2016」 photo : Ken Kato

 

 

今年は3,326点の作品応募があり、会場が子どもたちの絵画でいっぱいになりました。

これだけの数の作品で会場が埋め尽くされると圧巻!の一言。

描かれているのは、虫や動物、自分や家族や友達の顔、大切にしている宝物、夢中になった遊びの様子、空想の世界など様々。

今年からテーマ部門も新設して、「花」のテーマで作品を募集しました。

それぞれに工夫をこらして画面いっぱいに色彩が広がります。

 

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「花」部門の展示 photo : Ken Kato

 

 

毎年こんなにたくさんの作品が集まる展覧会。では、これまでの51年間に展示されてきた作品はいったい何点になるんだろう・・・?と計算してみたところ、なんと総数、17万3,580点!

半世紀を超える歴史のなかで、横浜市民ギャラリーはこれだけたくさんの子どもたちの思いがこもった作品を受け止めてきたんですね。

むかし作品を応募してくれた子どもたちは、今どんな大人になっているのでしょう。

小学生の頃に作品を出品したことがある校長先生にお話を聞く機会に恵まれました。

 

 

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西前小学校の末松校長先生

 

 

お話をしてくださったのは、横浜市立西前小学校の末松隆一郎校長先生。

末松先生は小学4年生のとき「横浜市こどもの美術展」に2点の絵画を出品されました。

当時は病弱で学校を休みがちで、成績もスポーツも思うように成果が出ず、自信をなくしていた頃だったと言います。

そんななか、通っていた画塾の先生のすすめで「横浜市こどもの美術展」に絵画を出品。

大好きだった船の絵と、花のデザイン画が展示され、周囲で評判になったそうです。

このことは当時の末松少年の大きな自信になったとのこと!

 

 

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末松先生のお母様が大切に保管していた当時の写真

 

 

末松先生はご自身の体験をふまえ、

「子どもたちにはいろいろな表現の場を持ってほしい。そのなかで自分の自信をつかんでほしい。」

とお話してくださいました。

 

 

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「横浜市こどもの美術展2016」 photo : Ken Kato

 

 

今年の会場でも、自分が描いた作品を家族や友だちに誇らしげに紹介する子どもたちの姿がたくさん見られました。

がんばって取り組んだことを周りの人に見てもらい、声をかけられたり褒められたりすることが自信になる。その積み重ねが人を大きく成長させてくれますよね。

横浜市民ギャラリーではこれからもこの展覧会を通してたくさんの子どもたちの成長を見守っていきたいと思います。

 

 

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「横浜市こどもの美術展2016」ボランティアの皆さんが活躍 photo : Ken Kato

 

 

「横浜市こどもの美術展2016」について詳しくはこちら

http://ycag.yafjp.org/our_exhibition/kodomo2016/

 

 

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横浜市民ギャラリー  森 未祈