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担当者コラム

第三十二回 今年で20回目の開催「こども狂言ワークショップ~卒業編~」

2017.10.18

皆さん、こんにちは。

横浜能楽堂のあん娘こと石川泰菜です。

寒かったり、暖かかったり、そんな毎日の繰り返しですが、体調を崩されていませんか?

雨の日も増えてきて、一雨ごとに春が近づいてきていますね。

 

そんな、冬から春にかけてのこの時期、

横浜能楽堂では毎年「こども狂言ワークショップ~卒業編〜」が開催されています。

 

さて、この「こども狂言ワークショップ~卒業編〜」に参加するためには

先ず、夏休みに3日間開催される、小・中学生を対象にした「こども狂言ワークショップ~入門編~」に参加して頂かなければなりません。

 

「~入門編~」では、狂言の歩き方や座り方、小舞と呼ばれる舞のお稽古を行います。

3日間のお稽古を終えたあと、「狂言って楽しい!」「もっとやってみたい!!」というこどもたちを募集して「~卒業編〜」が開催されます。

 

「こども狂言ワークショップ~卒業編〜」は1月〜3月までの間に全10回のお稽古を行います。

「~卒業編~」は、参加者一人一人に役がつき、狂言1曲を仕上げるという内容。

3月下旬には「横浜こども狂言会」という発表会もあります。

「横浜こども狂言会」では、本物の装束を着け、140年の歴史がある能舞台で初舞台を踏むんですよ。

 

今年は2名のこどもたちが、参加してくれました。

 

 

 

台本は、大人と全く同じ。

台詞も動きも、すべて覚えなくてはなりません。

先生の台本の読みを聞いて、台本の漢字に読み仮名を振るところからスタートです。

この時は、お母さんが協力してくれました。

 

 

 能楽堂

 

  

その後、すぐに本読みが始まります。

 

 能楽堂

 

  

室町時代の言葉を言うのは初めて。

台本を目で追うのが精いっぱい。

 

 

 

本読みのお稽古が終わると、次のお稽古からは、早速立ち稽古に入ります。

先生の真似をしながら、覚えていきます。

 

 能楽堂

 

 

台詞を覚えて、動きも覚えて、う〜ん忙しい…(−_−;)

でも、「楽しい!」「好き!」って気持ちをパワーに変えて、

2人ともどんどん上達していきます。

 

能楽堂

 

だんだんと自分たちだけで動けるようになって、すごいなぁ〜。

 

 

 

今回2人は「しびり」という曲をお稽古しています。

お使いに行かせたい主人と、行きたくない家来の太郎冠者のお話。

 

主人にお使いに行って来いといわれた太郎冠者は「持病のしびりがおこって(足がしびれて)行けない。」と仮病を使います。

主人もちゃんとそれを見抜いていて、太郎冠者に聞こえるようワザと大声で「お使いに行けば、出かけた先でごちそうがあるのに、太郎冠者は病気で行けないから、次郎冠者を行かせるように。」と別の家来に言いつけます。

『ごちそう』と聞いて、行く気になった太郎冠者は、病気が治ったことにしようと……。

 

という、太郎冠者の気持ちがまるで自分のことのように感じられる内容。

 

 

 

現在のところ、半分の5回のお稽古が終わりました。

2人に「横浜こども狂言会」※への意気込みを聞いてみたところ、

主人役の子は、「ちゃんと考える格好良い主人になりたい」とのこと。

太郎冠者役の子は、「お使いに行きたくない太郎冠者が、仮病を使うところを面白く演じたい」とのことです。

 

ここからは「横浜こども狂言会」に向けて、さらにお稽古はペースアップ!

本番への緊張も高まりドキドキする時期でもあります。

でも、2人ならきっと素敵で楽しい本番が迎えられると思います!!

 

 

この「こども狂言ワークショップ」は平成8年からスタートし、20年続いているワークショップです。

これまで184人のこどもたちが卒業編まで参加し、横浜能楽堂の本舞台で初舞台を踏みました。

 

洋室での生活が多くなり、畳の部屋で正座をすることもすっかり減った今日この頃。

「こども狂言ワークショップ」への参加をきっかけに、『ご挨拶をすること』や『正座をすること』を始めとする礼儀作法や日本の文化を学んでもらうとともに、なにより「狂言って楽しいなぁ~」と感じてもらえれば嬉しいと思っています。

 

 

 横浜能楽堂 石川泰菜

 

 ※平成27年度の「子ども横浜こども狂言会」は、平成28年3月27日に終了しました。