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担当者コラム

第十回 昔、子どもだった皆さんへ

2017.04.23

「みんなはじめはこどもだった、でもほとんどみんな忘れているよね。」、

そう書いたのは「星の王子様」のサンテグジュペリ。

 

今日お届けするレポートは、学校プログラム。第9回でもでてきましたが、横浜市芸術文化教育プラットフォームの取り組みで、アーティストが小学校に伺って子どもたちと行うプログラムです。

今回はダンスを中心にプログラムをお送りしている赤レンガ倉庫1号館のコーディネートで、小学校にコンテンポラリーダンスの講師が訪れたときのこと。お邪魔したのは市内の小学校の5年生の3クラス。その中のある1日の風景です。

 

「コンテンポラリーダンス」...大人にはちょっと難解なイメージがある分野のダンスですよね。子ども達にはどう伝わるのでしょう。

 

 

講師の自己紹介と準備運動が終わって、その日の最初の課題は、「体育館の端から端まで体を使って移動する」でした。

子ども達を見てみると...匍匐前進、ゴロゴロ、でんぐり返し、いろんな体の使い方が出てきます。なかにはブリッジしたまま進んでいる子も...。

 

 

二つ目の課題は、「体育館が海の中だと想像して同じく端から端まで移動する」。

とたんにみんなもがきだしたり、泳ぎだしたり。でもなかなか難しいのか似たような動きが多いようです...そこで講師の先生が指摘します。「足の下も手の先も背中の後ろもみんな水だよ。」

...さっきとは少しみんな動きが変わりました。バリエーションも出てきたみたい。

 

 

三つ目の課題、「床が鉄板でものすごく熱いと想像して端から端まで移動する」。

今度はみんな手足をばたばた、転がる子、はねる子、走り抜ける子。ゆっくりだった子は友達に「丸焼け、黒こげだ」なんて言われています。体験したことはないはずなのに水の中よりはイメージしやすいみたいです...他のクラスの時は、「何かになって焼け焦げてみよう」ってのもありました。

 

そして最後の課題は、講師による“無茶ぶり”。

「グループごとに火と水の動きを組み合わせて作品を作ろう!」。

何やっていいのか途方に暮れてしまいそうな課題ですけど...でも子どもの発想力って大人の常識の枠なんか遙か超えて自由自在。

 

 

ある子が言いました「水の中を鳥が飛んだらどうなるだろう」。食いしん坊の子が言いました「僕は餃子だ。火の中は焼き餃子、水は鍋で水餃子。」同じグループの子が言いました「それなら私たちは肉団子。」他のクラスにも、「魚を焼いて食べる」や「マッチで火をつけたらガス爆発」なんてアイディアがありました。

 

鳥は水の中をとんだらどうなるんでしょう?餃子や肉団子のダンスってどんなのでしょう?

魚が焼ける様子のダンスって?考えるだけで何かわくわくしてきませんか?

 

そして実際に動いてみます。「鍋」のグループでは、他のメンバーが食べ物は嫌だといって、「たき火」になったみたいです...残念!「恥ずかしい」って他人の目が気になるのもこのぐらいの子にはよくあること。とはいえ10分後にはダンスを発表しなければなりません、彼らの作戦会議が続きます。

 

 

 

最後はグループでの小さなダンス作品の発表。

出来たのは彼らの“コンテンポラリーダンス作品”でした。

どれもみな抜群におもしろかった。子どもってすごいですよね。

 

 

 

昔、子どもだった大人の“はやし”より

(赤レンガ倉庫1号館)

 

 

Toutes les grandes personnes ont d'abord été des enfants. (Mais peu d'entre elles s'en souviennent.) -  extrait de « Le Petit prince » d’Antoine de Saint-Exupéry.

「大人達もみんな初めは子どもだった。(でもそれを覚えている人は少ない。)」

- アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ著「星の王子様」より

 

 

ブログ内写真:横浜市立山田小学校5年生の皆さん