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担当者コラム

第七回 笑いで暑さも吹きとばす「横浜にぎわい座有名会『夏のこども寄席』」

2017.04.23

『子どものいる風景~活動現場から』レポート第7号は、「横浜の寄席(よせ)」横浜にぎわい座の夏の風景をお届けします。

落語・講談・漫才・奇術などといった大衆芸能の専門施設である横浜にぎわい座では、年に1回夏休みの特別企画として「夏のこども寄席」を開催しています。

 

 

 

トップバッターは、笑福亭羽光さんによる落語「読書感想文」。羽光さんは、テレビでもおなじみの笑福亭鶴光さんのお弟子さんで、落語家としては「二ツ目(ふたつめ)」という、修業時代である「前座(ぜんざ)」の1つ上、その名の通り2番目の位の方です。トップバッターの役目として、携帯電話の電源は切ってくださいなどの注意事項から、落語という芸の基本的な構造を面白おかしく伝えていきます。この日はメインのお客様が子どもたちとあって、大人相手なら確実に笑いを取れるネタ(中島み〇き)に滑って苦戦しながらも、随所で笑いを誘いました。

 

笑福亭羽光

 

 

続いて登場は、奇術のアサダ二世さん。寄席では、落語以外の演目を「色物(いろもの)」といいますが、奇術もそのひとつです。飄々とした口調で話しながら、妙技見せてくれます。もちろん、寄席の芸ですから、「手品のタネは錯覚」と言って、1つ1つのタネを説明しているように見せながら、あざやかな技の合間にお話しも挟んで笑いと拍手を誘っていきます。

 

アサダ二世

 

 

お次は落語で、柳家喬之助師匠。この後から登場してくる落語家さんたちは、落語家の位としては最上位の「真打(しんうち)」の方たちです。まずは、落語が舞台上では着物を着て座布団に座り、扇子と手ぬぐいだけを使って、何人の登場人物でも1人で表現する芸術であることをお話しします。ネタは「子ほめ」で、定番の登場人物の「八っつあん、熊さん、ご隠居さん」の説明から噺に入っていっていきました。

 

柳家喬之助

 

 

さて、仲入り(寄席では休憩をこう言います)を挟んで登場してきたのが、春風亭柳朝師匠。ご自身もお子さんがいて「イクメン」を名乗った柳朝師匠は、古典的な怪談の「皿屋敷」を基にした「お菊の皿」を披露。寄席の夏の定番である怪談噺のエピソードや失敗談で場を温めた後にネタに入りました。怖いはずの幽霊が、アイドル的な人気者になってしまうという不思議なお話しで笑いを誘います。

 

 

続いては、本日2人目の色物、太神楽曲芸の鏡味正二郎さん。お茶椀や傘を使った曲芸には、子どもたちも笑いを忘れて食い入るように見入っていました。見事な芸で場を盛り上げて、最後の出演者に繋げます。

 

鏡味正二郎

 

 

ちなみに、かつてはお正月のテレビの定番だった「おめでとうございま~す」でおなじみの海老一染之助・染太郎さん。かつては、傘を使った太神楽曲芸の代名詞的な存在の方たちでしたが、今どきの子どもたちの中での知名度はどの程度なのでしょう?

 

本日最後の登場(寄席では「トリ」と言います)は、雷門助六師匠。横浜の戸塚出身の助六師匠、同じく横浜出身の桂米丸師匠、桂歌丸師匠(ちなみに、当館の館長でもあります)と並ぶ「横浜の三大スター」と名乗って、最初から笑いと親近感をゲットしていきます。扇子や手ぬぐいの使ったしぐさのクイズで、子どもたちをひきつけてから、古典落語「初天神」へ。縁日を舞台に、のんきな父親が調子のよい息子に振り回されるこの噺、テンポの良い掛け合いの中に、親御さん側にも子ども側にも「あるある」と思えるシーンの連続で、オチまで笑いが絶えませんでした。落語の後に、助六師匠が寄席の芸である「踊り」を披露してくれました。操り人形をモチーフにした踊りに、江戸の「粋(いき)」を感じられたのでは?

 

雷門助六

雷門助六「踊り」

 

 

毎年夏恒例の「夏のこども寄席」。大人も子どもも「笑い」は元気の源。異常に暑かった今年の夏を乗り越える、一助になってくれていると良いのですが。

横浜にぎわい座では、毎月1日~15日まで、連日・日替わりで公演を開催しています。笑いたくなったら、気軽にお運びください。お待ちしています!